ご挨拶

日本大腸CT専門技師認定機構設立にあたって

 わが国における大腸CT検査は、新たな大腸画像診断検査法として注目され、2011年には炭酸ガス自動注入器の薬事承認、2012年には大腸CT撮影加算として保険収載されました。2016年には念願であったわが国唯一の大腸CT用造影剤が発売され、大腸CT検査に対する環境は大幅に改善されてきました。
 しかしながら、前処置法や撮影技術、解析技術に関しては、施設によってばらつきがあり、必ずしも根拠に基づく検査が行われていないばかりか、患者や被検者にとって適切な検査が実施できているとは言えません。
 患者や被検者に対して最適な大腸CT検査を行う上で専門的な知識は必須であり、CT撮影を行う診療放射線技師は医師や看護師などの他の医療従事者と協働して高精度な検査を行うに適した職種と言えます。このような背景から、CTに関わる技術、画像解析に関わる技術をはじめ、前処置を含めた専門性・安全性を担保することが必要です。また、新しい検査技術の有効性を評価し、そのスキルを広く普及させることが重要となります。
 そのため本機構では、各種関連団体と連携して制定した大腸CT検査に対する標準的な検査法に基づいて、診療放射線技師が臨床現場で活かすことのできる「大腸CT専門技師」の資格認定を行っていきます。

 大腸CT専門技師制度の普及により、標準医療に基づいた検査の提供、および専門的な撮影技術の普及・実践が可能となり、適切な画像による読影医への有益な情報提供が可能となることで、安心で安全な検査の提供を行うことができます。さらには、関連学会等と連携し、最新の知見を基にした検査技術の開発や検証、普及を行うことで、大腸CT検査の質の向上につながり、国民が大腸CTを安心して受診できる環境を整え、国民の健康と医療の増進に寄与することができます。

 みなさまのご協力とご支援のほど、よろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人
日本大腸CT専門技師認定機構
鈴木雅裕